なぜデイトレードをやるようになったか?
私が長期投資から超短期売買に傾いたそのワケ

いかに心から応援したい企業でも買い時を間違えると
何にもならないということを身を持って体験しました。

私がデイトレをするわけ

ス クウェアエニックス社のファイナルファンタジー(FF)というゲームご存知でしょうか?私はこのゲームが非常に好きで毎作プレーしていました。長いことプ レーしているうちにふと思ったのですが、ここまで人を熱狂的にさせるこんなゲームを作る会社はきっと素晴らしいのではないか?と、同時にスクウェア社の株 を買えばひと儲けできるのではないか、との思いがふつふつとわきあがってきて株の世界に足を踏み入れることになりました。

小 泉首相が自民党総裁に当選するちょっと前のことです。私は虎の子の36万円をにぎりしめて大和證券に口座を開設していました。コツコツと貯めたバイト代で す。全く知識は無く、ろくな下調べもせずに大和證券に入金して株を買う機会をうかがっていました。買おうかどうか迷いながら2週間近くがたったある日、何 気なくQuickを起動した私はキモをつぶしました。なぜかスクウェア社の株が狂ったように上昇しているのです。わぁぁぁぁぁああああああ・・・乗り遅れ た私はあわてて3460円で飛びついて買いました。暴騰の原因はナムコ・エニックスと共に株を持ち合うというニュースでした。

株 価が狂ったように騰がったあとは乱高下の連続です。つまり株を全く知らないど素人がいきなり仕手株に手を出してしまったのです。ある日はストップ高に近 く、ある日は急落。そんな日が続きました。とはいえ株価は上昇基調。徐々に上に向かっていく流れの中で至福の時を満喫していました。含み益も3万、4万、 5万と増えていきます。Yahoo掲示板のスクウェア板でも他のスクウェアホルダーの歓喜の声が聞こえます。次は4000円、いや5000円は堅いだろう との声が聞こえます。私も一緒になって小おどりしていました。しかしまさかの悪夢が・・・

映画事業

当 時スクウェア社は莫大な巨費を投じてフルCG映画を作製していたのですが、その制作費の小口証券化に断念したという報道が流れたのです。映画の総事業費が 莫大で、なんとあのスターヲーズより制作費が高かったそうです。結局その小口証券化断念の報道によりはしごは一気に外されます。ニュースの重大さに気づい た賢い人や逃げ足の早い人はすぐに撤退を開始していました。一方私はいまだに夢の中にひたっており、まだ上値の余地はあるとたかをくくっていました。その 根拠はYahoo掲示板で「大丈夫だ、大丈夫だ」と言っている者がいたからです。尋常でない急落に一瞬不安がよぎった私ですが、それでも含み益でしたし結 局そのYahoo掲示板の「大丈夫だ」という声が安心できて、ホールドの道を選びました。

結局この判断が地獄に一直線になりました。


日 がたつにつれて映画事業の採算が非常に悪いということが明らかになってきました。社運をかけて巨費を投じた映画事業。これが悪くなりつつあったのです。そ の映画事業が不調なせいかFF10が好調に売り上げているにもかかわらず株価は下げつづけます。そして損切りが全然出来ない値段まで下がり続けて初めて事 の重大さに気付きます。「あの時売っていれば・・・」と、毎日が後悔の繰り返しです。微力ながらスクウェア社を支えるべく5万円以上の大金をはたいてビッ クカメラにてPS2本体とFF10を購入しましたが焼け石に水でした。

毎 日必死に株価をチェックし、1レスも逃さずにYahoo掲示板をチェックしていました。小口証券化断念の時に「大丈夫だ」と言っていた男は毎日「大丈夫 だ」を連発していました。そして私も「大丈夫だ」と思っていました。そう思わないとやってられないぐらい株価は下落し続けていました。すでに買値の半額ぐ らいに落ち込んでいました。そして運命の9月11日ですとどめをさす出来事がおこります。アメリカの同時多発テロです。他の会社の株も軒並み下がります が、スクウェア社にはその日値段がつきませんでした。いわゆるストップ安(今日はもうこれ以上下がらんよという水準まで下がる)です。これが2日続きま す。この時点で3400円(34万円)で買ったスクウェアの株は1300円(13万円)に落ち込みます。さすがにこの日はこたえました。墓場まで持ってい こう、と腹をくくるしかありませんでした。しかしこの絶望的な状況で思わぬ援軍がかけつけます。

株価の反転

援軍の正体はソニーです。 ソ ニーによる第三者割り当て増資でスクウェアは経営危機を乗り切りました。私はこの時の感謝の念があって後日ソニーがソニーショックと呼ばれる大暴落を起こ した時に買いを入れて儲けることができました。ソニーには感謝しています。さらには映画事業からの完全撤退が報じられてまた一段高になります。そして極め つけは非常に仲が悪かった任天堂社と仲直りしたという空前のニュースが飛び込んできて一気に高値をつけてくる局面になりました。

株 は分からないものです。ちょっとしたことで株価が反転し、一気に上昇トレンドに変わります。それもスクウェア社に地力があるからこそで、変な会社ならその まま立ち直れなくなってしまいます。そういった意味では艱難辛苦はあったけれどもスクウェア社の株を選んでいてよかったとは思いました。


「こ こらが潮時だろう。」と、感じました。一時は1300円近くまで落ち込んだのが実に2700円までのぼってきたのです。最初の買値3460円からくらべた ら大きなロスカットにはなるが、ここまで戻せば十分だろうと思って損切りを決断しました。断腸の思いで100株の売り注文を出し、ほどなくして2700円 で注文が約定して人手にわたっていきました。これにはなんともやりきれない思いがこみあげてきました。この100株は1年以上ワシが血のにじむ思いでホー ルドしたものですぞぉぉお!と売り板の横に注釈を加えたかったぐらいです。しかし買い手はそんなことは知るよしもなくまたそんなことはどうでもいいので す。含み益の100株、含み損の100株。何年もかけてホールドした株、デイトレの株。このときばかりは株の無常を感じました。

のど元すぎれば熱さを忘れる

そ れから2ヶ月程度はじっとしていました。ところがあれだけ痛い思いをしながらも傷が少しずつ癒えてくるとまたもうひとやま当ててやろうというチャレンジ精 神がフツフツとわいてきました。人間の欲望にまつわる愚かさ、浅はかさでございますな。再度リベンジを誓って、スクウェアの株に手を出しました。しかしな がらそれがさらなる悲惨な結果を招きました。

株価が2360円になったとき安い!と感じて買いました。 ところが・・・・数日後悪材料が発表されます。筆頭株主(株を1番もっている大金持ち)が株式を大量放出したのです。このことがスクウェア社は筆頭株主に見放されたとyahoo掲示板に書かれたのです。これで自分は狼狽しました。しかし株を持ち続けました。

そ んな事があってスクウェア社のオンラインゲーム構想プレイオンラインがもうだめだという噂がyahoo掲示板で叫ばれはじめました。運悪く日経平均もバブ ル後の最安値を更新していきます。結局2365円(23万6500円)で買って1100円(11万)くらいまで下がります。皮肉なことに、この辺からスク ウェアの値動きの癖、特長を分かり出していました。数年間スクウェアの値動きをチェックしてYahoo掲示板をくまなく見ていた私は、悲観に満ちたこのと きこそスクウェア株を全力買いすれば必ず儲かる、と直感が働きました。そして実際の株ではなくk-zoneトレーディングダービーの方で全力買いをして大 きな含み益を実現しました。実際の株は余力が全く無くて買えませんでした。

しかしこれはスクウェア社が悪いのではなく日本株全体が最悪の時期でもあったといえます。しかし一度株価が3分の1になり、そしてまた2分の1になったという事実は厳然としてあり、私自身は大変精神的に痛手を受け二度と長期投資はやらないと心に誓ったのです。


二度目のロスカット

そ れから悶々とした日々を送ること約8ヶ月。同社が業績上方修正(業績が良かった)を行います。株価が1500円になった時「これ以上この株に付き合うのは 精神的にも参ってしまう」と判断してロスカットを実行しました。・・・・・・・・しかし運命のいたずらか・・・なんとその数日後にエニックスとの合併報道 が流れたのです。合併交付金40円もしっかりと支払われるとアナウンスされました。私は1年8ヶ月持ちつづけて一円も配当無しでした。

家 路につく途中でふと思いました。株を長期間バイアンドホールドするには綿密なリサーチが必要なのでは?ということです。またスクウェア社が悪いのではなく 全ては準備不足、知識不足だった私が悪かったのです。株の世界は誰のせいにもできない。完全自己責任の世界だということを痛感しました。現在のスクウェア エニックス社の株価を見ると同社のCG技術力にほれこんだ第一印象は間違いではなかったと思っています。ただどんな素晴らしい企業でも買った時期が悪けれ ば大損する危険性はあるということは私も痛感しました。(銘柄選択や投資は自己責任でということになります)自分が信じて投資したならそれは自己責任とい うものです。しかしもし私がある程度資産を持っていて株をはじめていたなら間違いなくスクウェア株を全力で買っていました。そしてすぐに株式相場から退場 しているところでした。そういう意味では極貧だった自分が小額資金で株をはじめたことは運がよかったとしか言えません。それと1年8ヶ月持ちつづけて苦労 したことから思い切った損切りの必要性も痛感しました。否定的な意味でのロスカットではなく明日へつなげるロスカットです。それもできるだけ早い方がいい ということを思い知らされました。そんなとき私はあるトレード手法があることを知りました。それがデイトレ(デイトレード)です。

デイトレードをやってみる

デ イトレってどういうもんだろう?とはじめはうさんくささを感じました。なにしろその日のうちに取引を終えてしまうなんて信じられなかったからです。そんな 取引方法で儲かるのか?というのは、はなはだ疑問でした。とはいえ数時間、あるいは数分で利益を出す手法にあこがれを感じたのも事実です。短時間で大きく 儲けたいと思うのは人の「さが」です。それでちょっとデイトレにチャレンジしてみることにしました。

ど こかいい証券会社がないかなと探していたら手数料の安い内藤証券を見つけてここに決めました。結局内藤証券では数ヶ月間デイトレもどきのことをやっていま したが成果を上げることはできませんでした。もっとも2002年の市況は厳しくて素人が利益を上げるのは難しかったとも思います。結局うまくいかず悶々と していましたが、やっとデイトレに最適な証券会社を見つけることができました。それがコスモ証券です。

そ こで2003年1月からは本格的(?)なデイトレを始める決意をしました。ロスカットは1%以内!ズバリ自己ルールはこれだけです。これだけでデイトレの 世界に飛び込みました。しかしながら当然のごとくデイトレの世界はもっと厳しい世界でした。1日で数万円が消える世界です。ぎゃぁぁぁああ・・・持ち合い 解消、代行返上の嵐の中で全力買いを続けて、おまけに損切りの遅いデイトレを続けて資金的に大打撃をこうむりました。コスモ証券でも失敗 し、あぁやっぱりデイトレも厳しい世界だった・・・と後悔しました。そして現在に至っています。今は逆張りデイトレードというやり方で細々とやっていま す。そして相場環境を考えてデイトレからスウィングへの移行と一貫しない投資スタイルでやっています。投資をやめられないのは相場の魔力にとりつかれたせ いかもしれません。

さ て現在の自分は、長期投資に返り咲いています。スクウェア株が3分の1、2分の1になった経験を経てデイトレードにのめりこみました。しかしよくよく勉強 をしてみるともっとほかに正しい投資法があるということに気付きました。それからはとにかく本やDVDなどを読みまくって勉強しています。自分への投資を 怠らなければ必ず資産形成ができる。そういう結論に達しています。
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